立春朝搾り 新酒で日本の春を祝う

古代中国の季節区分法である「二十四節季」によれば、2月4日立春の日は旧冬と新春の節目にあたります。実感としては、まだ寒さが厳しい時期ですが、新しい春の始まりの日とされています。

お酒を醸す蔵元にとっても、この時期は吟醸酒や大吟醸酒など上級酒の仕込みや上槽などで多忙を極めるのがこの時期です。そんな2月ですが、「春の訪れを知らせる立春の日に搾りあがったお酒をその日のうちに、お客様に楽しんでもらおう」という発想が芽生え、立春朝搾りが誕生しました。

企画を立案したのは、全国の酒販店や蔵元でつくる日本名門酒会です。本部は東京の日本橋馬喰町に本社のある酒問屋の岡永で、飯田3兄弟で有名です。
長男は東京大学をでており優秀で家業の岡永を継ぎ、日本名門酒会を組織しました。次男は居酒屋チェーンの天狗で有名なテンアライドを起業し上場しました。いちばん成績が悪かった(?)三男は日本警備保障のセコムを創業し、やはり上場しています。

14年前に3つの蔵で始まった立春朝搾りは、今年は全国で38蔵元が参加し、1600店の酒販店が約19万本を販売します。新潟県内で唯一参加するのが地元柏崎の原酒造です。
2月4日午前0時半から蔵人たちがもろみを搾り、前日から横浜、群馬からも酒販店が集まり、ラベル貼りの作業等をしました。近くの御嶽山神社でお祓いをし、無病息災、家内安全、商売繁盛を祈願しました。
御嶽山神社このお酒は搾りあがりが2月4日と決まっているので、出来上がりが早すぎたり遅くなったりしないよう、完璧な管理と微妙な調整が必要となり、「大吟醸より神経を使う」という、杜氏さん泣かせのお酒です。また、搾り上がったらすぐに瓶詰めして出荷しなければならないため、この日蔵人たちは夜中から、もしくは徹夜で作業を行います。

越の誉の蔵では、この日のために3本のタンクに仕込み、当日一番味ののっている一本を選んで搾ります。
通常のお酒は、加水してアルコール度数15度台にしますが、立春朝搾りは濾過せず、原酒のままで瓶詰めするのでアルコール度は17.5です。契約栽培の高嶺錦を50%(麹米)、60%(掛米)に精白し、香りが高く味のある1701酵母を使います。天の恵みを頂いた酒は、香りよく、味に幅があり、酸が味をまとめて良いお酒に仕上がっています。

作業が終わると会議室にて朝食です。製造課長の石黒さんが丹精込めて作ってくれたコシヒカリのごはんと、蔵の極上の酒粕を使った鮭を焼いて、野菜のたくさん入った豚汁がでます。これが美味しくて、毎年楽しみで、皆さんおかわりをします。

日本酒は世界で一番高い米を、世界でも高い賃金の国民がつくります。通常の感覚では、海外への輸出は難しいと思われますが、確実に輸出は伸びています。
しかし、私の考えでは日本酒の評価はまだまだ低すぎると思います。世界の醸造酒では他に類をみない平行複発酵という独自の技術で最高の酒文化を築き上げた日本人、もっと清酒を誇っていいのでは、、、、と思います。

読んでくださった方々の無病息災、家内安全をお祈りいたします。ありがとうございました。

この記事の著者

八幡屋

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